知っておきたい境界標設置と管理
境界標設置の意義 筆界とは
土地の境界標とは、一筆の土地の境の屈曲点に設置された標識のこ
とで、その土地の所有者が、排他的に使用することができる範囲を、客観
的に定めたものであります。
その一筆ごとの区画は、全国で約3億筆個あるといわれています。
地価は、バブル経済で急上昇しました。そのバブルが崩壊して、地価
が下ったといわれています。しかし、土地は生産することができません
から、希少価値として、高価な財産であることには違いありません。そ
のこともあって、近年境界に関する紛争が増加しています。
宅地造成や区画整理等によって、境界標が既に設置されているところ
はともかく、明治初期に作製した公図に頼っているところも未だに多く、
ところによっては樹木や、板塀を境界としているところもあります。
中には現況が変化して、誰も正確な境界点を証明することができないため
に、多くの労力と経済的負担を費やして復元することがあるばかりでな
く、これが元で、今まで平穏なお隣さんとの関係も悪化してしまうとい
うのが現状であります。
境界が不明ということは、境界標が現地にないということで、登記さ
れている土地を現地において特定することができないということになります。
更に土地は、相続されますので、自分がおよその位置を知っているだ
けでは不十分です。世代が変わって子供や孫の時代になれば全く分から
なくなります。
そこで、大切な財産を管理するためには、境界点に、不動の永久標識
を設置して、境界標を維持管理することが最も大切なことです。
登記されているから大丈夫ということにはなりません。自分の土地に
は正確に境界標を設置して、管理することに勝る方法はありません。
■記憶は消えても境界標は残る■